株式会社を作るメリット編
起業相談ドットコム、起業コンサルタントのNです。
今日は法人を設立するメリットについてのお話をします。
税金面でのメリット
1)税率および所得(利益)の分散効果
個人事業の場合⇒1人で利益を事業所得として得るので、累進税率により5%~45%の税率となる。また、この事業所得について、5%の事業税がかかってくる(住民税を含めるトータル最大60%の実効税率になる)
法人の場合⇒税率は18%と30%のフラット税率となる(資本金1億円以下の中小企業であれば約23%の実効税率)ので、年間所得が1000万円超の高所得者にとっては、有利となる。
また、身内の者にも、税務署への事前の届けも不要で、自由に給料を支給できるので、利益を分散できる。
なお、代表者も給与所得なるので、事業税は課せられなくなる(法人にも利益に対して事業税がかかるが、給料として利益を分散してしまえば、課税されない)。
さらに、代表者の得る給料について、給与所得控除が受けられる分だけ、個人で得る所得よりも経費が多くなる(年間で最低65万円は、無条件で控除を受けることができる)。
2)消費税が、法人化後、資本金1000万円未満であれば、2年間免税となる。現在、個人事業を営んでおり、かつ年間売上高が1000万円超の場合は、法人化後2年間消費税を納めなくて済むため、非常に有利である。
ただし、法律改正の為、平成25年1月以降開始する事業年度から一定条件をクリア―しなければ、この免税期間が1年間のみになってしまう。
3)赤字が出た場合であっても、法人の方が有利となる。
法人の場合は、9年間これを繰り越して、次年度以降の利益と相殺できる。これに対し、個人の場合は、3年間で切捨てになってしまい、繰り越せる期間が短くなる。
4)法人の場合、決算期が自由にきめられ、利益操作も可能。税金の支払時期もずらせる。これに対し、個人は、12月決算で3月15日の申告のみとなっている。
5)法人の方が、個人と比較して、経費となる範囲が広い。
⇒生命保険が、一定の条件の下、支払った分は全額経費となる。これに対し、個人はいくら支払っても、5~10万円の控除が最高限度となる。
⇒代表者への退職金も法人の場合は,経費とできる。
⇒福利厚生費(社宅、健康診断、永年勤続者への記念品、社員旅行etc)が活用できる。
⇒出張規程を作成して、出張時の日当も法人の場合は、経費として支給でき、しかも、もらう側では所得税も住民税も一切かからない。
⇒結果的に、認められる経費が増える分だけ、消費税も節税となる(原則課税の場合)。
6)子会社・関連会社を作り、利益操作も可能となる。
税金面以外でのメリット
1)公私の区別が明確化して、事業活動による利益・資金を把握しやすくなる。
これにともない、事業の拡大も容易となる。
2)登記簿謄本に情報が記載されることにより、情報の開示が行われ、社会的な信用性が増し、営業活動等にプラスとなる。
3)金融機関からの信用も個人事業者よりも高まり、融資も受けやすくなる。
4)法人の場合、株式の相続という形で、事業承継が容易となる。
一方、法人を設立することによるデメリットも以下のようなものが考えられます。
1)交際費に一定の経費制限がある(現在年間800万円までは経費で落とせる。800万円超は全額が経費とならない)。
2)法人を設立することにより、法人の設立費用が30万円以上かかり、また税務申告等の管理が煩雑なため、会計事務所への費用も発生してくる。
3)社会保険の加入義務が出てくる。
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