キャッシュフロー計算書
起業相談ドットコム、起業コンサルタントのＯです。
今回は、会社設立後に必要になる財務諸表のうちキャッシュフロー計算書についてです。
その他の、貸借対照表、損益計算書と比べると、なじみが薄いかもしれませんが、一定期間のキャッシュフローの状況を表しています。
英語記載 C/F、cash flow statement
＜キャッシュフロー計算書と貸借対照表の関係＞
前年度貸借対照表の「現金及び預金」＝キャッシュフロー計算書の期首残高
当年度貸借対照表の「現金及び預金」＝キャッシュフロー計算書の期末残高
が一致します。
貸借対照表に記載されている現金及び現金同等物の１年間の増減を示したものが、キャッシュフロー計算書です。
＜キャッシュフロー計算書と損益計算書の関係＞
キャッシュフロー計算書は、損益計算書に記載されている収益および費用のうち、当年度中に収入＝キャッシュインフローまたは支出キャッシュアウトフローのあった金額を示します。
例えば、損益計算書の売り上げのうち、売掛金となっているものは、当年度中に回収されない部分もあります。
このため、キャッシュフロー計算書に記載されているキャッシュインフローおよびキャッシュアウトフローは、損益計算書の収益、費用とは一致しません。
＜キャッシュフロー計算書の役割＞
キャッシュフロー計算書は、先ほど述べた通り
一定期間のキャッシュフローの状況
を表していますが、このことにより下記の役割を期待されています。
・企業の現金創出能力を示す
・企業の債務返済能力および配当金支払能力
・損益計算書に示される利益と、資金の増減との関係
＜キャッシュフロー計算書に記載される内容＞
キャッシュフロー計算書に記載される内容は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュフロー
投資活動によるキャッシュフロー
財務活動によるキャッシュフロー
現金及び現金等価物の増減額
現金及び現金等価物の期首残高
現金及び現金等価物の期末残高
＜営業活動によるキャッシュフロー＞
営業活動とは、いわゆる本業のことです。
損益計算書における
売上高
売上原価
販売費および一般管理費
の項目が該当します。
また、投資活動及び財務活動のキャッシュフローに含まれないものは、この区分に入ります。
営業活動によるキャッシュフローでは、本業の現金創出能力を示しています。
＜投資活動によるキャッシュフロー＞
投資活動とは、企業の営業＝本業の能力を維持拡張するための設備投資、資金運用などを目的とした金融商品への投資、第三者への融資などに関する活動です。
投資活動によるキャッシュフローでは、将来の利益やキャッシュフローを生み出すための投資は十分か、適切かを示しています。
例えば、現在の事業活動を維持するために設備の充実や修繕をおこなったりした場合には、投資活動によるキャッシュフローはマイナスになります。
一方で、保有している土地や有価証券を売却した場合、投資活動によるキャッシュフローはプラスとなります。
＜財務活動によるキャッシュフロー＞
財務活動とは、企業経営に必要な資金の調達や、株主への配当金の分配に関する諸活動を意味します。
財務活動によるキャッシュフローを確認することにより、営業活動と投資活動によって生じた資金の過不足がどのように調整されたかを知ることができます。
＜フリーキャッシュフロー＞
営業活動によるキャッシュフローと投資活動によるキャッシュフローの合計額を
フリーキャッシュフロー
とよびます。
企業にとって、投資は将来の存続成長を支える大切な活動です。
ただし、営業活動によるキャッシュインフローに対して、投資活動によるキャッシュアウトフローが大きくなりすぎれば、資金の大きな減少を招き、財務活動による資金調達が必要になりかねません。
フリーキャッシュフローの値は、常にプラスでなければいけないというわけではありませんが、中長期的には安定した数字であることが望ましいとされています。
いかがでしょうか？
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