助成金のお話<2>
起業相談ドットコム、起業コンサルタントのKです。
前回に続き、助成金の紹介です。
先日も書きましたが、起業後すぐに利用ができるものもありますので、助成金については常にアンテナを張っておくことをお勧めします。
ただし、助成金は一般的に、
計画書の提出→実施→支給申請書の提出→助成金の受け取り
というような流れになり、実際に助成金を受け取るまでかなり時間がかかります。
返済が必要ないという意味ではとても魅力的ですが、起業資金や運転資金として考えることはできませんので、ご注意ください。
さて、今回紹介するのは、厚生労働省の
キャリア形成促進助成金
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html
です。
なんだか前回と名前が似ていますね。
でも違う助成金です。
雇用する労働者のキャリア形成を効果的に促進するため、職業訓練等の実施等を行う事業主・事業主団体に対する助成金です。
おおざっぱに言えば、
人材育成のための訓練研修を実施した場合
などに助成金(費用の一部と、賃金の一部)がでます。
政策課題に対応した内容の場合は、認められやすく、助成金額も大きくなっています。
例えば
育児休業中または復職後の能力アップのための研修
健康環境などの成長分野での人材育成のための研修
などが政策課題対応型になります。
一般的な研修も対象になりますが、あくまで「キャリア形成」「人材育成」なので、
コンサルタントによる経営改善の指導
マナー研修
意識改革研修
などは対象になりません。
こちらの助成金も、中小企業事業主に、手厚い内容となっており、一部大企業は対象にならないコースもあります。
中小企業事業主に該当するかの判断は、主たる事業ごとに、
A 資本金の額または出資の総額
B 企業全体で常時雇用する労働者の数
について、どちらかの基準が該当すれば、中小企業事業主になります。
資本金を持たない事業主(個人事業主、医療法人など)も対象となりますが、その場合はBを基準に判断されます。
この制度の中小企業事業主の範囲は以下の通りとなっています。
小売業(飲食店を含む)
A 5,000万円以下
B 50人以下
サービス業
A 5,000万円以下
B 100人以下
卸売業
A 1億円以下
B 100人以下
その他の業種
A 3億円以下
B 300人以下
助成される対象は下記の通りです。
1 政策課題対応型訓練
①成長分野等人材育成コース
<中小企業以外の企業及び中小企業>
健康・環境などの成長分野等での人材育成のための訓練
②グローバル人材育成コース
<中小企業以外の企業及び中小企業>
海外関連業務に従事する人材育成のための訓練
海外の大学院、大学、教育訓練施設などで実施する訓練も含みます。
③育休中・復職後等能力アップコース
<中小企業以外の企業及び中小企業>
育児休業中・復職後・再就職後の能力アップのための訓練
④中長期的キャリア形成コース
<中小企業以外の企業及び中小企業>
厚生労働大臣が専門的・実践的な教育訓練として指定した講座(専門実践教育訓練)
⑤若年人材育成コース
<中小企業以外の企業及び中小企業>
採用後5年以内で、35歳未満の若年労働者への訓練
⑥熟練技能育成・承継コース
<中小企業以外の企業及び中小企業>
熟練技能者の指導力強化、技能承継のための訓練、認定職業訓練
⑦認定実習併用職業訓練コース
<中小企業のみ対象です>
厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練(4の①を除く)
⑧自発的職業能力開発コース
<中小企業のみ対象です>
労働者の自発的な能力開発に対する支援
2一般型訓練
<中小企業のみ対象です>
政策課題対応型訓練・団体等実施型訓練・ものづくり人材育成訓練以外の訓練
3 団体等実施型訓練
<事業主団体等>
事業主団体が行う
①若年労働者への訓練
②熟練技能の育成・承継のための訓練
③育児休業中・復職後・再就職後の能力アップのための訓練
4 ものづくり人材育成訓練
<中小企業以外の企業及び中小企業、事業主団体等>
建設業や製造業が実施する厚生労働大臣の認定を受けた次のOJT付き訓練
①企業単独型訓練
②企業連携型訓練
③事業主団体等連携型訓練
助成額および助成率は、コースによってことなります。
1政策課題対応型訓練
OFF-JTの場合
賃金助成が1名1時間当たり800円(中小企業以外400円)
経費助成はコース等により異なります。
2/3(中小企業以外1/2)となる場合
③育休中・復職後等能力アップコース
⑤若年人材育成コース のうち若年者雇用促進法に基づく認定事業主
その他は1/2(中小企業以外1/3)となります。
OJTの場合
OJTの場合は、⑦認定実習併用職業訓練コースのOJTのみが対象となり、実施助成1名一時間当たり600円
2一般型訓練
OFF-JTのみ 賃金助成400円 経費助成1/3
3団体等実施型訓練
OFF-JTのみ
①若年労働者への訓練 経費助成1/2
②熟練技能の育成・承継のための訓練 経費助成1/2
③育児休業中・復職後・再就職後の能力アップのための訓練 経費助成2/3
4ものづくり人財育成訓練
OFF-JT
賃金助成 800円(中小企業以外400円)
経費助成 2/3(中小企業以外1/2 事業主団体等2/3)
OJT
実施助成 700円(中小企業以外400円)
事業所ごとに、最大で受給できる助成金には上限があります。
魅力的な助成金ですが、ここに記載した以外にも条件などがあります。
実際にご利用になる場合は、ご相談をいただければ、助成金に強い社会保険労務士事務所をご紹介させていただきます。
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